がんばれタイランド!

先日タイのゴーゴーバーに行って参りました。そのタイランドの話になりますが、今日はタイの新空港について語らせて頂きたいと思います。

タイといえば、象やビーチ、屋台、ムエタイ、バナナ、マンゴ、人によっては素足で歩く土人をイメージされるかもしれません。確かにそのような世界があるのも事実ですが、今やタイはもっともっと進化しているのであります。


最近タイのバンコクにできたスワンナプーム国際空港は、関空の5倍ぐらいの大きさがある東南アジア最大級のハブ空港です。この空港は、深夜にもかかわらず、ヨーロッパ系の旅行者、アフリカ系の旅行者、アジア人、黒人、ユダヤ人、イスラム教徒、バックパッカー、金持ち、貧乏人、子供達と多くの人が空港内を行き交っています。こういう場所をうろうろしていると、松尾芭蕉のように「人生は旅なり」と人の世の広がりの只中にいる自分を感じます。

ではこのスワンナプーム空港のどこが一体すごいのか。

それは、タイ人がこの空港を運営していることです。


底辺では最低時給が100円、日給800円足らずで生活をしているタイ国民が、先進国の仲間入りをした香港やシンガポール大空港に匹敵するハブ空港を運営しているのです。この感激はタイをよく知る人にはわかってもらえると思います。タイの出世と成長に私は喜びを感じます。

東南アジアの主要なハブ空港として、香港の香港国際空港シンガポールチャンギ空港がよく挙げられます。かたや商売熱心な香港人、かたや東南アジアの優等生と呼ばれるシンガポール人が運営しています。アジアのビジネスエリート達を前にして、怠け者と呼ばれこそすれ、決してビジネスエリートとは呼ばれないタイ人がその中に入り込み、三巨頭の一つとして渡り合っていると理解して下さい。

インターネットなどの投票では、香港国際空港や、チャンギ空港の圧倒的優位ですが、月給1万5000円のタイ庶民に支えられているタイのスワンナプーム空港を、是非ともタイフリークとしては支持しなければなりません。香港やシンガポールの空港を育ちの良いボンボン息子に例えるなら、タイの空港は庶民生まれの成り上がり空港でしょう。


この空港のすごさを理解してもらうためにも、下記に掲載する飛行機の時刻表をご覧になって下さい。空港は24時間フルタイムで運営されているため、深夜12時台にこれだけの密度で飛行機が出発するのです。

出発時刻 便名コード(航空会社名) 目的地
00:25 SK 0972(スカンジナビア航空) COPENHAGEN(デンマークの首都)
00:25 TG 0650(タイ航空) BUSAN(釜山?)
00:30 KE 0658(韓国航空) DAEGU(大邱)
00:30 RJ 0181(ロイヤル・ヨルダン航空) AMMAN(ヨルダンの首都)
00:30 TP 8390(ポルトガル航空) ZURICH(ドイツ)
00:35 RJ 9674(ロイヤル・ヨルダン航空) BEIJIN(北京)
00:35 TG 0946(タイ航空) ATHENS(アテネ)
00:40 PG 0815(バンコクエアウェイ) FUKUOKA(福岡)
00:40 TG 0940(タイ航空) MILAN(イタリア)
00:45 ET 0607(エチオピア航空) ADDIS ABABA
00:45 MS 0961(エジプトエア) CAIRO(カイロ)
00:45 QF 0001(カンタスエア) LONDON
00:50 TG 0648(タイ航空) FUKUOKA(福岡)
00:55 KQ 0235(ケニア航空) NAIROBI
01:10 TG 0910(タイ航空) LONDON
01:20 CA 0980(エアチャイナ) BEIJING(北京)
01:20 OZ 0744(アシアナエアライン) SEOUL/INCHEON(ソウル/インチョン)
01:20 TG 0950(タイ航空) COPENHAGEN
01:25 EK 0385(エミレーツ航空) DUBAI(ドバイ)
01:30 KE 0654(韓国航空) SEOUL/INCHEON(ソウル/インチョン)

さすがに深夜の3時、4時台はもう少し便数が減りますが、時刻表に空白の時間帯はほとんどありません。まさに24時間眠らない空港、ここでは大きな世界が右へ左へと繋がっています。今日はイスラエルから、明日はロンドンから、スケベな思いを抱えて、自分と同じように男達ははるばるタイランドまでやって来るのでしょうか。
あぁ、素晴らしきかな人生。


僕はいつもこの電光掲示板の時刻表を見て、世界の広さを感じ、これから飛行機が向かう色々な国々を想像してうっとりとしています。いわば港の旅情のようなものでしょうか。

エチオピアのアジスアババ(ADDIS ABABA)ってどんな所なんだろうか。マラソン選手の名前だったような気もするが…」
「ここからロンドンまではきつそうだな。ロンドンは肌寒いのかな」
などと、とりとめのない想像を巡らせている時間が幸せなひと時です。



がんばれタイランド!今宵翼に想いを乗せて。